ニューヨークの交通手段(マンハッタンの歩き方)

交通手段(マンハッタンの歩き方)

ニューヨークにはニューヨークの交通手段があります。タクシーでも地下鉄でも日本のそれとは乗り方が違います。ニューヨーク現地人の視点で、有効な移動手段とその利用方法を説明しています。いずれにせよ、旅行者にお勧めできるニューヨークの足は、あなたの足、タクシー、地下鉄、それとあっとニューヨークの専用車です。

マンハッタンは歩いた方が速い

歩いた方が速いですよ、ということを長々と書いてます。読み飛ばしていただいて結構です。

マンハッタン最良の交通手段は自分の足になります。渋滞が多く、ほとんどが一方通行のマンハッタンでは歩いた方が車より速いということがあります。例えば下図のAからBまで歩いて2分の距離ですが、これを平日の昼間、車で正面までつけるとなると、10分以上かかることになります。

ややこしいので、以下は読み飛ばして結構ですが、その理由を説明しますと、56ストリートは東向き一通行、次の通りマジソンは北向き一通行でこれを上がるとして、57ストリートで曲がっても通りの反対になるためここは曲がらない。さらに58、59は東向き一通のため曲がれず60で西に曲がる。やっと5番街に出てきて南下しかしまた57は左折禁止。55を右折し西に、6番街を北、57を東、5番街を越えてようやくたどり着く。渋滞してたら30分。これはニューヨーク初めての方がとるルートでしょう。わたしだったら、56を東、Parkを南、55を西、5を越えて6を北、57を東。これでたどり着けます。しかしこれでも10分はかかるでしょう。どうしても車をつけないと様にならない機会もあるでしょうが、普通、マンハッタンの中心街は歩いた方が速いですよ、という説明でした。

歩く距離とかかる時間の算出方法

歩く距離からかかる時間を割り出す方法を説明します。マンハッタンの距離感がなくてもこれを見て大体歩いてかかる時間がわかります。わかりやすい様に地図をご覧になりながら、行きたい場所を頭の中で描いてみてください。

マンハッタン地図

ステップ1:マンハッタンでの土地勘を養いましょう

  • 縦の大通りはAvenueといって南北の通りです (1~12まであります)
  • 横の通りはStreetといって東西の通りです (1~220まであります)

ステップ2:次にひとつのブロックの距離と歩いてかかる時間を覚えましょう

  • 横1ブロック(AV間)は250メートルで、普通に歩いて徒歩5分
  • 縦1ブロック(ST間)は50メートルで、 普通に歩いて徒歩1分
例題 答え
①のヒルトンから②のブルガリまで歩いてかかる時間は? 横1ブロック(5分)+縦3ブロック(3分)=8分
③のシェラトンから④のグッチまで歩いてかかる時間は? 横2ブロック(10分)+縦1ブロック(1分)=11分

タクシーの乗り方・捕まえ方

ニューヨークのタクシーの捕まえ方

通常タクシーを拾うのは、流しのタクシーということになります。日本の駅前のタクシー乗り場のようなところはないと考えてください。まず空車のタクシーを見分けます。タクシーはイエローキャブという名のとおり、黄色い車で、屋根に番号のボックスがついている車です。空車のタクシーは、屋根の上のボックスにライトが点いている車両です。誰かが既に乗っているとライトが消えていて、どこかに向かっている最中ですから、止まってくれません。

タクシーを停める時は、大胆に車道に2、3歩足を踏み入れて手を上げます!ニューヨーカーの中には、「タクシー」と声をかけながらタクシーに向かっていく人もいます。それくらい捕まえるのに困難な時もあります。タクシーが近寄ってきたら危ないですから一度歩道によけてください。日本のタクシーは自動ドアでしたよね?ニューヨークのタクシーでは、乗り降りの際、自分でドアを開け閉めします。

行き先の告げ方

マンハッタン地図行き先は有名なスポットやホテルだったらその名前をただ告げるだけでいいです。「ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウン!」などのようにです。ただ、タクシーの運転手のほとんどがインド人かパキスタン・バングラデッシュ人で、道やスポットに不案内な運転手がほとんどですから、場所が分からない、などと言い出す人もいます。その場合は、目的地に一番近いコーナーのアヴェニューとストリートの番号を告げます。例えば、右図の④の地点、「Gucci(グッチ)」に行きたければ、「5AV and 54street(フィフスアヴェニュー アンド フィフティーフォースストリート)」と簡潔に言って下さい。Please go to —、などと言う必要はありません。

料金とチップの払い方

以前(随分前)などはわざと遠回りして料金を稼ごうとするドライバーもいましたが、現在では道を間違えて、結果的に遠回りになってしまった、というような間抜けなドライバーしかいません。料金は到着地に着いたらメーターを止めますのでその料金を払います。お釣を貰ったら、チップを必ず、少なくとも$1渡します。「釣はイラねえ」みたいな言葉を英語でいうと、「キープ、チェンジ(お釣はとっといて結構)」といいます。

チップに関しての説明はこちら >>
タクシーに乗る際の注意事項
  • レシートを必ず貰うこと!言わないとくれない場合がほとんどです。もし忘れ物などした場合、車両番号の控えとなります。(忘れ物をしてもまずでてきませんが…。矛盾してるようだけど。)レシートを要求する際には、単純に「レシート、プリーズ」といいます。
  • タクシーは、前に1名、後ろに3名まで乗れます。合計4名までです。
  • 降りる際には、必ず座っていたシートをチェックしてください。よく忘れ物をしています。
  • 夕刻4時~5時までの間はタクシーが拾いにくい時間帯になります。タクシーはほとんどがオフ・デューティー(休憩時間)となります。
  • 運転はレーサー並みの荒さです。つり革に捕まって、足を踏ん張っていてください。元スーパーモデルだったわたしのルームメイトはタクシーの衝突時に鼻の頭を切りました。マンハッタンで事故があると、通常はタクシーと何かがぶつかっている、ということでも分かるはずです。
  • タクシーはマンハッタンの外には行きたがりません。帰りの客が拾えないからです。契約上はニューヨーク市全域は、営業エリアとして行かないといけないのですが、拒否されることがほとんどです。ニュージャージー州に行く時のみ、往復料金を課金することが合法的に認められています。空港へは喜んで行ってくれます(ニューアーク空港除く)。

メトロカード(Metrocard)を使おう

メトロカード左写真はメトロカード(Metrocard)といいます。ニューヨークの住民誰もがお世話になっています。地下鉄のブースか自販機で購入できます。ニューヨークの地下鉄とローカルバス(市バス)で使えます。なお、バスの運賃の支払いはメトロカードがなければ、25セント玉を運賃分ジャラジャラと入れることになります。バスは慣れれば、地下鉄との無料コネクションができたりして便利です。しかし、路線が複雑ですし、運賃の支払いもメトロカードがないと面倒ですから、旅行者の方にはバスはお勧め致しません。

お得な乗り放題切符もあります。乗り放題切符を一度使うと、その後18分間は複数人数での使い回しを防ぐために使用することはできません。

地下鉄(サブウェイ)の乗り方

地下鉄の駅/路線を探す

地下鉄駅まずは先に地下鉄の地図をご覧ください(地下鉄の地図はこちら >>)。現地では、あらかじめホテルのコンシェルジェなどで地下鉄の地図を貰っておきます。スマホをお持ちの方は、事前に地下鉄路線図アプリをダウンロードしておくと便利です。地図上では、左側中央の南北に細長い島がニューヨーク市の中心マンハッタンになります。ご覧の通り、駅はストリートの番号がそのまま駅の名前になっているところがほとんどです。路線は色分けされており、電車にも同じ番号のマークが付いています。

駅は通常、街角のコーナーにあります。普通は、右写真上のように地下に降りていく小さな入り口しかありません。写真下は地下鉄の入り口にある、路線を示すパネルです。駅の名前と、その下に地下鉄の路線番号がA、C、B、D、1、2と書かれています。

料金を払う

メトロカードの使い方まず、自販機でメトロカードを買います。クレジットカードか現金でメトロカードは買えます。(日本のクレジットカードの場合、郵便番号の入力時、適当な5桁を押して下さい)。改札に入る時にメトロカードをスライドして料金を払いますが、どこまで乗っても料金は一律で、出る時には払いません。

ホームを探す

ダウンタウンのサインニューヨークの地下鉄はシティ・フィールドに行く時に利用する7番線と、N、R、E、F線がクイーンズに行く時(地図参照の程)以外、全て南北に走っている、と思ってください。これはマンハッタンという島が南北に細長いからですが、当然、利用する時も南北の移動が中心になるはずです。ですからまず注意する点は、北に行くか、南に行くか、になります。

  • 北に行く場合 ⇒ Uptownと書かれた改札(ホーム)から乗る
  • 南に行く場合 ⇒ Downtownと書かれた改札(ホーム)から乗る

なお、Expressと書かれた電車はいくつか駅を飛ばして走りますので、地下鉄の地図をよく見て利用してください。

地下鉄の利点と注意点
  • 渋滞や遅れがあまりありません。
  • 駅と駅の間隔は走行時間としてたったの1~2分です。5つ離れた駅までだと、10分あれば到着します。
  • 電車の時刻表はありますが全く当てになりません。大体5~10分間隔で走っていると考えて下さい。
  • ギミアチェンジと言って近寄ってくる物乞いがいますが、無視します。
  • 10PM辺りから運行数が減りますので待ち時間が長くなります。
  • 11PM辺りから乗客が減りますので、人の多い車両に乗ります。もしくは、タクシーで帰ります。
  • 土曜・日曜の運行は前もって注意しておきます。

その他の注意点(レンタカー、観劇の前後、白タク)

レンタカーはやめておこう

アメリカは車がないと、本当にどこにも行くことができません。しかし、ニューヨークとサンフランシスコ市内だけは、例外といわれています。レンタカーでどうしても運転したい方は、道が空き空きで、規制のない土曜か日曜に借りてください。日曜の方が規制が少ないです。それでもやっぱり運転はお勧めいたしません。

  • 平日、路上に一切駐車できない。ちょっと端に停まっているだけで罰金の切符を切られるほど路駐に対しては厳しい。トラフィックポリースはコミッション制でお給料も変わりますので、ガンガンチケットを切ります。
  • 駐車場が少ない上に高いです。時間平均$15位します。
  • 交通規制が特種です。マンハッタンのほとんどの道路は一方通行です。(ストリートでは偶数番号が東向き)右折禁止、左折禁止、がいたるところにあって覚えていない限り、無理というくらい標識がいたるところにあります。初めての方はアメリカ人でも戸惑います。
  • 電車の時刻表はありますが全く当てになりません。大体5~10分間隔で走っていると考えて下さい。
  • のろのろ走ってると、後ろからクラクションをガンガン鳴らされます。青に信号が変わっただけでも後ろからクラクションが鳴らされます。そのくらい急かされます。
  • アメリカには暴走族というものがありませんが、ニューヨークでは、タクシーとリムジン(特にイエローキャブ)が暴走しています。タクシー同士のレースは見ごたえ充分です。どうしてそんなに急ぐのか?というほど、睨みあいながら先を急ぎます。お客さんが乗っていようと、いまいと、頭にきたらコーヒーやゴミを窓から投げあいます。もしタクシーが近くに寄ってきたら先を譲ってあげましょう。

ミュージカルが跳ねた後

ブロードウェイや、リンカーンセンターでの演劇、コンサートなどは通常10:30PM~11PM頃終了します。ブロードウェイではタクシーは先ず捕まえることができないと思ってください。これは実際に行ってみれば分かります。毎晩満員御礼で、2千人以上の観客席がある劇場が20場ほど集中している、このタイムズスクエアーでショーの終わりもほぼ同時刻です。まず、タクシーは無理です。何万人の人がホテルまで三々五々散らばって行きますので、ホテルに向かって歩きながら、タクシーを捜しましょう。人が少なくなってきたらタクシーも拾えるはずです。

リンカーンセンターでも、タクシーを拾うのは大変です。毎晩争奪戦が繰り広げられています。オペラ、バレー、オーケストラは、ここニューヨークでの寒い季節の風物詩。寒い時期ですが、ブロードウェイ同様ホテルに向かって歩きながらタクシーを捜します。ただ、リンカーンセンターは冬場の催し物が中心です。ニューヨークの冬は死ぬほど寒いですし、雪や雨が降っては外を歩けないため、帰りだけでもリムジンを手配しておくことをお勧めします。

空港で白タク注意

白タクは、ニューヨーク市のTaxi and Limousine Commissionのライセンスを持っていないタクシーもしくはリムジン、そのドライバーのことをいいます(車の色は黒など)。よく観光地や空港で見かけます。タクシーが拾えない時や道に迷っている人を見つけ出しては、「Where are you going?」と声をかけて連れていこうとします。空港などでは、不慣れそうな日本人旅行者のスーツケースの名札を見て、さっとボードにその名前を書いて、「待ってましたよ」といって連れて行こうとする人もいます。危ないことはしないのですが、ベラボウな値段を請求してきますから、ついていかないよう。せっかくの旅行が不快になるだけです。