マサ（雅）の評価と予約

2017年には日本からの旅行客がランチタイムにお酒を注文した際、サーバーが持ってきた半升のお酒が$2,700もしたと仰っていたから驚きです。後で問題となり、サーバーは注文に応じてお酒を持っていっただけだと主張し、お客さんは料金を教えてくれなかったと主張。結局アメリカでは結果あるのみでレストラン側からは謝罪もなく、料金を確認せずにお酒を頼んだのはお客さんの責任であり、商品自体飲まれたのだからそれは支払って貰うのが当然だ、という結果になりました。

実際のお酒の原価は日本で1万円程のお酒。それが30倍近くの値段で売られていたことになり、結果的には4名のランチで合計$6,000程を支払う顛末だったそうです。レストラン側からしてみれば、億万長者ばかりが顧客の全米一高いレストランですからお酒の$2,700という額はたいして気にする額ではなかったのかもしれません。

お金にゆとりがあって日本食が何たるかを知らないアメリカ人でしたら料金のスタンダードが分かる筈もなく、すんなりとお支払いされたのかもしれません。私達日本人は、日本から輸送されて鮮度の落ちた魚を（生での輸入はアメリカでは禁じられているため全ての食材は冷凍品）さらに高額な料金を払ってまでわざわざニューヨークで食事する必要はないかと思います。

アメリカ人にとっては日本人職人の包丁さばきはまるでマジックショーを見ているようで、懐石KaisekiやおまかせOmakaseにはじまり、ダシや旨味もDashi, Umamiとそのまま英語になっている程。そのスタイリッシュでフォーマルな食事の流れも禅の精神が感じられ神秘的にさえ映ります。その意味でインテリで好奇心旺盛なアメリカ人にとっては未知の世界に足を踏み入れる感じがするのでしょう。日本食に対して並々ならぬ敬意を持っています。ニューヨークのミシュランの星レストランの中で日本食レストランの占める割合は実に30%。日本食や寿司屋はニューヨークでは誰もが憧れる高級レストランです。日本食の高級店に行くことこそ彼らにとってはステータスなのです。