毎年6月に開催されるゴルフの世界4大メジャートーナメント大会の1つ、USオープンゴルフ(全米オープン・ゴルフ)。以下、2009年にニューヨークのベスページで行われたUSオープンを題材に、USオープンの会場の様子や観戦の際のアドバイスを説明致します。
USオープンゴルフの会場について
全米オープン ゴルフの会場は、毎年変わります。アメリカ国内の名コースが選ばれます。セレブ御用達の高級ゴルフクラブが会場になる年もあり、会場に行くことを楽しみにしているゴルフファンもいます。
ニューヨークでは、2009年にパブリックコースのベスページ、2018年に歴史のあるコースのシネコック・ヒルズ、2020年にプライベートコースのウィンゲッド・フットで開催されました。
USオープンゴルフの会場持ち入り禁止物
全米オープンゴルフは、入場前に荷物検査があります。持ち込み禁止物もありますので、お出かけ前に以下の禁止物をご確認下さい。
- 携帯電話以外の通信機器(携帯電話は音、バイブが出ないよう設定すること)
- ノートパソコン、タブレットなどのコンピューター類
- 動画録画機器、プロ用のカメラ、ゲーム機器
- 15cm×15cm×15cmよりも大きいカバン(透明のものなら30cm×30cm×15cm)
- バックパック、アタッシュケース、トランクケース、クーラーボックス
- 飲食物(小さめの空のペットボトルは持ち込み可)
- 肘掛け付きの折りたたみ椅子、椅子のケース(肘掛けなし椅子単体なら可)
- プラカードなど、応援用のポスターやボード、レーザーポインタ、音の出る機器
- 危険物、介助動物を除くペット、その他スタッフの持ち込み禁止と判断する物
一般的なアメリカ人は手ぶらやウエストポーチだけなど、非常に軽装で入場します。日差しが強いので帽子やサングラスの持参をお勧め致します。尚、ベビーカーは持ち込み可能です。
ゴルフ観戦の仕方
USオープンゴルフの場合、各エントランス付近の出場者ボードで、選手名とホール開始時間が随時更新されます(写真左)。お目当ての選手の名前を探し、時間に合わせてホールへ向かいましょう。
会場によりますが、ホールのグリーン付近には観客席(グランドスタンド)が設置されていることが多いです(写真右)。予約制ではないので、譲り合って座りましょう。有名選手のプレー中や、パー3などティーショットでグリーンへボールがやってくるホールのグランドスタンドは大変賑わいます。
基本的にホールに立ち入ることはできないため、観戦者はホール横のロープの外を歩くこととなります。しかし、クロスポイント(地図上は「X-X」と表記される) だけはプレーヤーのいないとき横断できる場合があるため、上手く端を歩けばこのようなフェアウェイ右のような写真が撮影できます。
ラウンジ(休憩スペース)
あっとニューヨークでは通常の入場券以外にも、ラウンジ(休憩室)へ入場できる特別なチケットも手配しています。
ラウンジは、
エアコンの利いた室内で椅子に腰掛け、飲食物を購入し、モニターで観戦できるものや、それに加えて食べ放題、飲み放題のビュッフェ付きのものなど、チケットの種類、更には会場によって内容が変わります。暑い日、急な坂の多いコースを長時間観戦していると、このラウンジの存在が非常にありがたく感じるものです。
ゴルフクラブ内では、座る場所というものが基本的にないため、疲れたら空いているグランドスタンドで小休止をとるのもお勧め。脱水症状に陥らないよう、しっかり給水を心がけて下さい。
サインや写真撮影
選手にサインを求めることは、会期中原則として禁止されています。しかし実際には、
練習ラウンドでのみ選手がサインに応じてくれることがあります。
サイン獲得方法の主流な方法は、ギフトショップで売っている旗やアパレルを購入し、そこへサインを求めることです(写真)。(ノートや紙切れにはまずサインしてくれません)
サインをもらえる最大のチャンスは、
・
ホールからホールの移動時
・クラブハウス前(※ 競争率高め) です。
ホールの位置関係を把握し、次のホールとの間をどこを通って選手が移動するかを考え、いわゆる「出待ち」をします。どのホールも見えない場所だと「待ちながら観戦する」ということが叶わないため競争率が下がり、サインが格段に貰いやすくなります。プレーを見逃すのが残念ではありますが、お目当ての選手の写真やサイン獲得のチャンスにかけたいファンは、練習ラウンドに参加し、この手で挑戦しましょう。
英語はもちろん、他国からの選手には出身地の言語で「○○選手、ファンです!頑張ってください!」というような台詞を覚えていくと非常に効果的。まず振り向いてくれます。
※ サインの要求や接触の試みは大切な試合を控えた選手の負担となることを理解し、節度を守ること。軽く拒否されたらすぐに引き下がるのがファンとしてのマナーと心得ましょう。
会場で売られている飲食物
飲食物の持ち込みが禁止されているUSオープンですが、メインゲートをはじめ、コース内の処々に飲食物を販売するブースが設置されます。ハンバーガーやホットドッグ、サンドイッチなどのアメリカンフードが10ドル前後で購入できます。ペットボトルの水も、持込禁止のため、入場したら必ず一本は買っておきましょう。
アルコールも販売され、大変な人気です。また、左の写真のレモネードのように、大会限定のカップで提供してくれるブースも。記念になりますし、気分も上がります。
ギフトショップ・お土産
会場によって様々ですが、メインゲート前にあるパビリオンに大きなギフトショップが構えられることが多いです。USオープンゴルフのロゴの入った帽子やシャツ、ゴルフ小物など、お土産にぴったりな商品が並びます。
写真は例年人気の「大きすぎるゴルフボール」。直径20センチほどの大きなゴルフボールは子どもへのお土産にも良いでしょう。
悪天候時の対応について
雷雲の発生などによる中断は、ゴルフ界ではさほど珍しいことではありません。過去にも悪天候の影響で決勝ラウンドの日程がずれこんだこともありました。
そういった不可抗力での大会の中止や延期に対する主催者側の対応は、毎度様々です。例えば、「90分以上試合が行われた場合は、チケットの払戻しは一切しない」「90分未満で試合が中断延期となった場合、そのチケットはプレイオフ予定日とされている予備日で使える」など、状況に応じて措置が行われます。
いずれにしても、上記のような事態に合った場合は、協会側の発表や対応に備え、チケットを大切に保管しておきましょう。
2009年のベスページの観戦後記
2009年、USオープンゴルフの舞台となったニューヨーク・ベスページ州立公園のブラックコース。マンハッタンの東のロングアイランドに位置する州立公園です。
マンハッタンから車で1時間とかなり不便な場所ながら、鉄道路線LIRR(ロングアイランドレールロード)を使っても行くことが出来るアクセスが良い会場です。2009年は、車で行く場合は特別駐車場から、電車で行く場合は最寄り駅から、それぞれシャトルバスが運行されました。手荷物に関しては、航空機搭乗さながら、非常に厳しくチェックが入りました。
実は2009年、第109回目となる本大会では、この時期のニューヨークとしては非常にめずらしい悪天候に見舞われ、プレイオフ予定日にまで決勝ラウンドがずれ込みました。この事態は実に20数年ぶりのこと。出場選手はもちろん、観戦者のみならず主催者側も多大な負担を被りました。結局試合はプレイオフ日に最終ラウンド途中からスタートし、終了しました。旅行計画を急に変更することは難しいですが、万が一に備えて何日か余裕のあるスケジュールを立てると良いかもしれません。
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